横浜市役所のように新本庁舎内に連続した点字ブロックの設置を
↑川崎市役所新本庁舎
↑2020年に完成した横浜市役所。案内所まで連続性が保たれています。
2024年12月議会一般質問(12月18日)でパラムーブメントの理念に照らしても不十分な今の設置の在り方を改善し、視覚障害者の移動の権利を保障するために新本庁舎内に連続した点字ブロックの設置を求めました。
かわさきパラムーブメントは「障害者をはじめ、いわゆるマイノリティとされている人たちが、生き生きと暮らす上での障壁となっている、私たちの意識や社会環境のバリアを取り除き、誰もが社会参加できる環境を創り出すこと」を理念として推進しています。市長も力を入れている施策です。
しかし、新本庁舎の点字ブロックの在り方は、福祉のまちづくり条例連続性が保たれておらず、誰もが同じ経路や出入口を円滑に利用できるのでもなく、床面識別できる色も使っていません。なぜなのか問いました。
また、合理的配慮の提供には建設的な対話が必要だとされています。団体さんと対話を行いパラムーブメントの理念や移動の権利の保障から改善を求めましたが副市長からまともな答弁がなく残念でした。
合理的配慮の提供の職員サポートブックを有効に活用し理念浸透を推進し施策に反映してほしいことも要望しました。
粘り強く取り組んでいきます。
※正式な議事録でないことをご了承ください。
【質問1】パラムーブメントの理念とは?
新本庁舎内の点字ブロック整備の在り方についてです。本市は「誰もが自分らしく暮らし、自己実現を図れるまち」を目指し、7つのレガシーを掲げかわさきパラムーブメントを推進しています。第2期推進ビジョンの見直しでは、「理念」の浸透が重要であるとされていますが、その「理念」とは何か伺います。また、職員に対して理念を浸透させるためにどのような取り組みを行っているのかうかがいます。
【答弁1】市民文化局長
かわさきパラムーブメントの理念等についての御質問でございますが、かわさきパラムーブメントは、障害者をはじめ、いわゆるマイノリティとされている人たちが、生き生きと暮らす上での障壁となっている、私たちの意識や社会環境のバリアを取り除き、誰もが社会参加できる環境を創り出すことを理念として、取組を推進しております。職員に向けた理念浸透の取組につきましては、管理職向けに心のバリアフリー研修、全職員対象にパラアスリートから学ぶ共感力・ダイバーシティ研修、 eラーニングによる階層別研修等を実施しているところでございます。
【質問2】なぜ条例整備マニュアルにそっていないのか
「レガシー3社会的バリアが解消されたまち」に関連し新本庁舎内の誘導・警告点字ブロック設置の在り方について、福祉のまちづくり条例整備マニュアルにそってうかがいます。まず「安全かつ円滑に利用できるよう、移動の連続性を確保することが基本である」とされていますが、なぜ連続した設置がされていないのか伺います。また、「移動等円滑化経路や出入口は、誰もが同じ経路や出入口を円滑に利用できるように計画する」とされていますが、一なぜ多くの市民が利用するエントランスホール中央出入口から総合受付への誘導ではなく、横道から守衛室への誘導なのかうかがいます。さらに、「周辺の床面と識別できるように黄色を原則とする」とされていますが、なぜ銀色なのかうかがいます。設計段階で視覚障害者団体の意見や要望を聴取したのかについてもうかがいます。
【答弁2】総合企画局長
誘導ブロックについての御質問でございますが、川崎市福祉のまちづくり条例では、「道等から建物の案内が可能な場所までの経路について、視覚障害者誘導用誘導ブロックを連続して敷設すること」としております。
本庁舎につきましては、歩道に面して設置した音声案内設備から、極力分岐せずに守衛室に誘導する経路に連続して設置しております。エントランスホール中央入口から総合受付に案内するためには、現在の経路から分岐が必要になり、初めて訪れる方は迷うおそれがあるだけでなく、中央入口は夜間に施錠され、行き止まりとなってしまいます。このような混乱を避けるため、初めて訪れる方にも丁寧かつ安全に、常時サポートが可能な守衛室に誘導するよう整備いたしました。誘導ブロックにつきましては、耐久性を考慮し、頂部が黄色く表示されたステンレスフレームの製品を採用しております。
また、設計段階におきましては、職員団体の様々な障害のある方々から意見を伺い、整備の参考とさせていただいております。
【質問3】団体さんの声を聴く
連続性、守衛室への誘導、色の在り方について質問したところ、夜間など施錠された閉館時や、分岐のあることで初めて来庁される方の混乱を避けるために、連続性を重視するよりも常時人的サポートが可能な守衛室に誘導することが丁寧で安全だとの見解が示されました。また、耐久性を考慮し、ステンレス製品が採用されたとのことです。
川崎市視覚障害者福祉協議会の方からは、「市民として他の方と同様に中央入口から入り総合受付やトイレ、エレベーターまでなどを自立して利用するためには連続した点字誘導ブロックが必要」との声が寄せられました。また、「設計段階で意見を聞いて欲しかった」との声もあり、合理的配慮の提供にあたり、建設的な対話が求められます。
早急に視覚障害者団体との対話の場を設け、パラムーブメントの理念やレガシーに基づいて移動の権利の保障につながる新本庁舎内の改善を図るべきです。担当副市長にうかがいます。
【答弁3】副市長
誘導ブロックについての御質問でございますが、本庁舎につきましては、設計段階から、職員団体の様々な障害のある方々から意見を伺い、これを反映しているところでございます。
【要望】
ディスプレイお願いします。新本庁舎の設置状況です。中央エントランス、1階も守衛室からは連続した点字ブロックの設置がありません。こちらは2020年に完成した横浜市役所です。担当者から、「有人案内を基本としているが桜木町駅などから続く主要な動線4カ所から1階と3階の案内所までは最低限連続した誘導ブロックを設置しどなたも迷わないようにした。バリアフリー化には横浜市視覚障害者福祉協会など主な市内6つの障害者団体から意見聴取した」とうかがいました。床面とはっきりと識別できる黄色の製品も採用しています。
レガシー3が形成された状態は「すべての人が自らの意思で行きたい場所に行き、そこで自由に行動できる」こととされ移動の権利の保障がうたわれています。
人的サポートは重要ですが、レガシーにてらすなら今の在り方では不十分ではないでしょうか。
設計段階で障害者団体から意見を伺っていなかったこと、副市長から対話の場を設けるとの明確な答弁がなかったことは残念です。今の在り方が完全ではありませんし声があるのですから、意向を尊重した建設的な対話の場を設け改善に向けるよう要望します。
また、「私たちの意識や社会環境のバリアを取り除き、誰もが社会参加できる環境を創り出すこと」とするパラムーブメントの理念も答弁していただきました。
職員向け合理的配慮の提供のサポートブックには、「提供するサービスの中で社会的障壁を取り除くのは行政の責務だ」とされています。サポートブックも有効に活用し、理念浸透に向けさらに庁内研修を推進し、施策に反映していただくことを要望します。