JFEスチール(株)高炉休止による雇用や地域経済の影響について責任をもって総括を。労働者等への引き続きの支援を!

高炉休止により社員1200名と関連下請け事業者の従業員2000名、さらには地域経済に大きな影響を及ぼすとして、関係行政機関連携本部を設置し雇用と関連事業者の支援を行ってきました。一定の成果があったとして3月の開催をもって終了することが決定されました。2025年第2回定例会一般質問において、雇用や地域経済にどのような影響があったのか総括など、休止後の下請事業者の状況も把握もせずにあいまいにしている市の姿勢を無責任だと厳しく批判をしました。JFEスチールのさらなる利益追求のために、犠牲になったのは労働者やその家族、そして市内零細中小下請け事業者でした。黒字リストラが行われたわけです。2020年3月高炉休止発表直後の議会から、質問を行ってきたのは日本共産党川崎市議団だけでした。このような、大規模な黒字リストラが行われたにもかかわらず、他党のみなさんの質問がないことに残念です。連携本部は終了となりましたが、雇用や経営部会がそれぞれで支援を行うことは確認されています。私たちも引き続き、支援の声を議会へ届けていきます。
★2025年6月24日一般質問です。正式な議事録ではないことをご了承ください。
★写真は、「高炉休止に反対し職場を守る会」のみなさんの宣伝行動に激励に駆け付けた際のもの。会のみなさんは聞き取りやアンケート、市との懇談や交渉など粘り強く取り組んでこられ、連携しながら声を議会に届けてきました。
【質問1】
JFEスチール株式会社の高炉休止後の影響についてです。
高炉休止により社員1200名と関連下請け事業者の従業員2000名、さらには地域経済に大きな影響を及ぼすとして、関係行政機関連携本部を設置し雇用と関連事業者の支援を行ってきました。一定の成果があったとして3月の開催をもって終了することが決定されました。
2020年3月JFEスチールは「鉄鋼事業はセグメント利益がゼロと見込まれる危機的状況にあるため、2023年を目途に京浜地区の高炉等を休止する」と突然発表しました。赤字を理由に高炉を休止しなければ会社がつぶれてしまうかのように言いながら、当時の内部留保は2兆円近くあり、高炉を休止した2023年度のセグメント利益はゼロどころか2027億円の黒字を出しました。さらに利益を上げるために京浜地区にある唯一の高炉を休止し、8基から7基に集約したのです。
その利益のために犠牲になったのは、社員、関連下請け事業者とその従業員でした。社員1200名については配転などにより雇用を確保するとしましたが、京浜地区に残れるのはごくわずかで、多くが広島などの遠方でした。「高炉休止を中止し職場を守る会」の聞き取りなどで「家も生活もあるから行けない」「単身赴任で何十年も生活できない」との理由から、配転に応じられない労働者は退職せざるを得ない状況に追い込まれました。会社側から「西に行かないとやめてもらう」と強圧的な面談を繰り返されたとの情報もありました。
一方、関連下請け事業者の約半数が20人以下の規模で売り上げの大部分をJFEスチールに依存していた中小零細企業でした。休止に伴う事業計画が知らされず、経営の見通しが立てられない事業者が多くあったことや、429名の雇用を削減せざるをえない状況が本市のアンケートによって明らかになりました。
JFEスチールは黒字でありながら配置転換や退職に追い込むなどリストラを行い、中小零細企業の仕事を奪いました。許されるのでしょうか。
改めて伺います。約1200名の社員のうち、配転等で雇用が継続となった人数、発表後高炉休止前までに退職された人数、休止後退職された人数、そのうち再就職が決まった人数についてお答えください。
関連下請け従業員2000名のうち発表から休止まで何人が退職されたのかまた、休止後の退職した人数についてお答えください。
【答弁1】配転750名、退職を余儀なくされた方750名
JFEスチール株式会社についての御質問でございますが、同社の高炉等休止により影響を受ける同社の社員約1,200名のうち、異動等により引き続き勤務される方が約750名、高炉等休止以前に定年や自己都合で退職された方が約250名、高炉等休止に合わせて退職された方が約200名でございまして、本年3月に開催した「」FEスチール株式会社の高炉等休止に係る関係行政機関連携本部会議」において、退職された約200名のうち、約150名の方が再就職支援会社を利用されており、その方々はほぼサービス利用を終了し、再就職に至っているとの報告がありました。
また、取引先関連事業者につきましては、また、取引先関連事業者につきましては、これまでも同社に確認してきたところでございますが、同社の構造改革にかかる発表から高炉等休止までの期問における退職者数は把握できていないこと及び高炉等休止に合わせて退職された方は約300名であると同社から伺っております。
【質問2】
約1200名の社員については、配転等で継続された方が約750名、発表から休止までの退職者が約250名、休止に合わせた退職者が約200名でそのうち再就職が決まったのは約150名とのことです。また、関連下請け事業者の従業員は、発表から休止までの退職者についてJFEスチールが把握しておらずわからないとのこと、また休止に合わせて退職された方は約300名とのことです。
2021年と2024年の経済センサスを比較すると川崎区内の製造業法人事業者が83減っています。少なからず高炉休止の影響も現れているのではないかと推測します。では、JFEスチールからデータをもらっている関連事業者183社について、高炉休止後の売り上げ減少率や事業の継続状況、従業員の雇用の増減に関する状況などについて把握しているのかうかがいます。把握していない場合は、高炉休止後の実態についてアンケート調査を実施するなどして把握すべきです。うかがいます。
【答弁2】休止後の下請関連事業者の状況は把握していない。
高炉等休止後の状況についての御質問でございますが、本市といたしましては、高炉等休止の発表後、関連事業者に対してアンケート調査を3回実施するとともに、ヒアリング等を通して経営状況等を把握し、必要な対応を行ってきたところでございます。
高炉等休止後におきましては、関連事業者へのアンケート調査は実施しておりませんが、引き続き国の統計調査や企業訪問等の機会を活用したヒアリングなどにより、地域経済の状況を把握してまいります。
【意見】影響等総括をしていない市の姿勢はあまりにも無責任だ。
高炉休止後の状況については把握をしていないとのことです。
JFEスチールは黒字で内部留保もありながらリストラを行ったことは社会的にも許されません。その結果、労働者の約750名が配転などをし、約750名が退職を余儀なくされました。関連下請事業者は事業の縮小や移転に追い込まれました。このことは川崎市にとって、所得税や法人税のマイナスにつながり、地域経済、地元商店などの売り上げなどにも影響を与えているのではありませんか。
代表質問では「影響についてどのような総括をしたのか」と質しましたが、市長の明確な答弁はありませんでした。総括をしていないということです。無責任です。改めて、高炉休止による雇用と地域経済の影響について全体像を責任をもって調査と把握をし総括を行うことを強く要望します。