公契約制度の運用改善で労働者に適正な賃金の支払いを!

9月議会で公契約制度の運営改善を求める質問や意見をおこないました。契約金額6億円以上の公共事業について職種ごとの決められた賃金以上を払わなければならいとしています。しかし市内建設組合が行った大手企業交渉の中で、条例の対象となる企業では、本人申告の職種で解体工の日給が21,992円のところ12,500円、内装工27,784円のところ14,000円しか払っていないことが明らかになりました。その企業からも作業報酬下限額が支払われていない実態を認めた発言があったとのことを今回議場で明らかにしました。川崎市は条例遵守の責務があります。あってはならないこととして、改善を求めました。市内建設組合の仲間たちと連携をとりながら声を届けています。
9月11日代表質問登壇者市古次郎議員、10月10日登壇者井口真美議員。原稿は私が分担しました。
写真は毎年7月にPTAの希望により建設組合が行っている工作教室の模様です。未来の職人さんを目指してくれたらよいなあと思います。
※正式な議事録でないことをご了承ください。またわかりやすくするために対応する質問と答弁をまとめています。
【代表質問】
公契約制度の運用改善についてです。公契約制度は本市において「労働者の賃金を担保することで公共事業の品質の確保、地域経済の発展を図り、市民の福祉の増進に寄与するために」必要な制度であることをこの間の議論で繰り返し確認をしてきました。
市内建設組合が行った大手企業交渉の中で、条例の対象となる企業では、本人申告の職種で解体工の日給が21,992円のところ12,500円、内装工27,784円のところ14,000円しか払っていないことが明らかになりました。その企業からも作業報酬下限額が支払われていない実態を認めた発言があったとのことです。
制度の趣旨からしても大問題であり、この事態を重く受け止め早急な改善が求められます。作業報酬下限額が担保されない理由として、一つ目には元請け以外の最終下請けまでに公契約条例遵守の周知がされていないとの指摘があります。
【質問1】依頼文を発出して最終下請けまで周知すべき。
千代田区では元請けが下請け対し条例遵守の依頼文を発出し周知しています。本市でも元請けだけにではなく、最終下請けまで周知すべきです、うかがいます。
【財政局長答弁1】
制度の周知につきましては、契約締結の際に受注者に対し、下請け事業者も含めて公契約制度の順守について徹底するよう依頼しているところでございます。
【質問2】最終下請けまで聞き取りを行い実態を把握し検証すべき。
また、2次3次などの下請けからはこの発注額では、決められた作業報酬下限額を支払うことができないとの声も届いています。本市の責任で、最終下請けまで聞き取りをおこない実態を把握して検証をおこなうべきです。うかがいます。
【財政局長答弁2】
本市の発注する特定工事請負契約におきましては、全ての労働者が作業報酬下限額以上の賃金を受け取ることができるよう受注者に義務付け、また、各建設関係団体に対しましては、下請契約における請負代金の設定及び代金支払の適正化に努めるよう、通知等の発出により要請しているところでございます。
【質問3】本市職員と審議会メンバーとで現場訪問を行い実態把握をすべき。
2つ目の理由として、条例を十分に理解していない現場従事者が見受けられていることが指摘されています。周知については配布するチラシの改善などを行っているとのことですが、それではまったく不十分です。厚木市や相模原市では市の職員と公契約条例審議委員が合同で現場訪問を行い周知を進める取り組みを行っています。以前より提案を行ってきましたが、本市も現場訪問をおこない、実態を把握し改善策につなげるべきです。うかがいます。
【財政局長答弁3】
労働者への周知につきましては、ポスターの掲示のほか、公契約制度の概要等をまとめたチラシを配布するとともに、任意の取り組みとして、労働者がどの職種に該当するかを確認書にサインしてもらう等の取組を行っているところでございます。なお、必要に応じて現場訪問を行い、公契約制度の周知に関する取組状況の確認を行っているところでございます。
【質問4】労働者にアンケート調査を行うべき。
また、2018年に制度理解や実効性を確認するために本市がおこなったアンケートを再度実施することも有効です。この間「適切な時期に実施する」との答弁が繰り返されています。7年も経ちこれ以上の曖昧は許されません。適切な時期とはいつなのか具体的にうかがいます。
【財政局長答弁4】
また、公契約制度に関するアンケートにつきましては、制度改正を実施した場合など、その影響等を把握するために実施するものと考えております。
【代表討論】
公契約制度の運用改善についてです。条例の対象となる現場で、労働者の職種通りの作業報酬下限額が支払われていない、また、下請事業者からは下限額を払えるだけの金額がもらえないなど指摘した実態はあってはならないことです。
市の職員と公契約条例審議委員合同での現場訪問や労働者へのアンケートなどで実態を把握すること、労働者の適正な職種確認にもっとも有効的なCCUSを活用することを検討するなどして適正に賃金を支払うよう求めます。また、最終下請けまで公契約条例遵守の周知徹底をすることをはじめ、最終下請けまでの聞き取り、さらに、入札契約制度・発注等検討委員会発注部会で、下請けまで行き渡る発注金額で契約されているかなど検証を行い、制度の趣旨に沿った運用改善を要望します。