日本共産党
川崎市議会議員(川崎区)

後藤まさみ

ブログ
2024年9月19日

医療的ケア児等要援護者の防災訓練とジェンダーの視点に立った防災対策を!

9月19日決算審査特別委員会総務分科会で昨年に引き続き要援護者やジェンダーの視点での防災対策について質問しました。「避難所までの避難や電源の確保など不安が絶えない」「当事者などが参加する避難訓練を行ってほしい」との声を届け当事者が参加する関係部局横断的な避難訓練実施を求めてきました。答弁は個別避難計画作成してからとのこと。しかしそんなことではいつまでたっても実施ができないと、終わった方から順次計画をするよう求めました。また、切実な要望である直接避難ができる指定福祉避難所について、市内3カ所のリハビリテーションセンターを早く指定するよう求めました。今回の質問あたっても、当事者の方からご意見やアドバイスをいただきながら準備をすすめました。感謝でいっぱいです。引き続き粘り強く声を届けていきます。

※正式な議事録ではないことをご了承ください。

要援護者やジェンダーの視点での防災対策について、2款3項1目危機管理費対策費・川崎市総合防災訓練会場設営委託業務費、区総合防災訓練実施委託料よりうかがいます。

質問1 教訓や評価について

地域防災計画では、避難訓練について「災害時要援護者の避難を円滑に行うため」としています。今年3月の総務委員会で2023年度の総合と各区の災害時要援護者が参加した訓練の報告がありました。導かれた教訓や評価について危機管理本部にうかがいます。

答弁1 意見への対応や、心遣いなど学ぶことができた

災害時要援護者が参加された防災訓練についての御質問でございますが、令和5年度の市総合防災訓練並びに各区の総合防災訓練では、中原区及び宮前区を除く各区で、要援護者が訓練に参加されました。

訓練で得られた知見の一例を申し上げますと、避難所の中にテントを用いて設置した要援護者用のスペースを実際に体験していただいたことにより、テントの配置や高さを改善して欲しいとの御意見への対応、視覚や聴覚に障害がある方とのコミュニケーションをとるうえでの心遣いや、様々な手段を活用することの重要性を、避難所運営にあたる自主防災組織の方や職員が実地に学ぶことができました。

また、訓練に参加された要援護者の方にとっても、避難所の様子をあらかじめ知っていただけたことは、災害への備えとして意義があったものと考えております。

意見 意見を聞く、政策検討の場への参加の機会を広げていくように要望

当事者の意見を聞く、政策の検討の場にも参加したいとの要望に「参加できる機会を創出するよう関係局と連携する」と昨年答弁していますのでさらに広げていくよう要望します。

質問2 HPでの周知の仕方、特別支援学校へのお知らせについて

防災訓練に参加希望の方から「ホームページで探しても見当たらなかった」とのご意見がありました。各区ホームページで知らせ履歴も1年は残す、年度初めにスケジュールを載せるなど誰でも参加できるよう周知すべできす。うかがいます。3月の委員会で特別支援学校へのお知らせも検討するとのことでしたが検討状況についてうかがいます。

答弁2 HPの改善を検討。特別支援学校へもお知らせをする。

訓練の実施に当たりましては、市政だよりや報道発表と共に、市及び区のホームページで事前広報を行っておりまして、訓練の実施後には掲載を終了しております。

防災訓練のスケジュールの早期の広報につきましては、市民の方々の参加促進等につながるものと考えておりますので、関係局区と調整を進めてまいります。また、訓練後の掲載につきましては一定期間情報を残すことを検討してまいります。

次に、特別支援学校につきましては、今年度の総合防災訓練に参加する予定でございました。また、区の防災訓練につきましては、各特別支援学校への御案内を区で検討していると伺っております。

質問3 24時間人工呼吸器を必要とする方の個別避難計画策定や避難訓練実施の検討はどこまで進んでいるのか。

これまで医療的ケア児の保護者からの「避難所までの避難や電源の確保など不安が絶えない」「当事者などが参加する避難訓練を行ってほしい」との声を求めてきました。佐賀県武雄市では2019年の豪雨を機に毎年、防災課、健康課、福祉課、消防署など関係各局が連携して医療的ケア児が参加する避難訓練を行っています。

こうした避難訓練実施について、昨年の決算審査特別委員会では「まずは個別避難計画作成を進める。今後は想定される避難先や各機関と連携を図り訓練の実施について検討を進める」との答弁でした。現在24時間人工呼吸器を必要とする方の計画は何人中何人まで完了しているのか。うかがいます。完了された方の避難訓練実施の検討はどこまで進んでいるのかうかがいます。

答弁3 43名中30名が作成済み。訓練実施検討は個別避難計画が策定されてから。

個別避難計画等についての御質問でございますが、24時間人工呼吸器使用者であり65歳未満の方の作成済件数は、 7月末時点で、 43名中30名となっております。

個別避難計画は、高齢者や障害者ごとに作成しているところでございまして、未作成の方もおりますことから、状況に応じた避難の整理のため、また、令和7年度末までに優先度を付けて計画作成を進めるよう国から求められておりますので、まずは計画作成を進めてまいりたいと考えております。

今後につきましては、作成を通じて把握される諸課題を踏まえまして、避難訓練について、検討を進めてまいります。

意見 策定が完了した方から順次訓練を実施し計画が実行性を持つよう要望

まずは個別避難計画の作成からとのことでその後については進展がないことがわかりました。金沢医科大学の中井寿雄准教授は報道で「非常時に計画が実際に機能するかが重要。医療的ケア児者の支援は画一的なアプローチでは難しく、訓練を通じて個別の対応法を身に着ける必要がある」と指摘をしています。時間の経過で状況も変わる方もいるので、策定が完了した方から順次、訓練を実施し計画が実効性を持つよう要望します。

質問4 医療的ケア児者の避難所の電源確保について

医療的ケア児者にとって災害時の電源喪失は「命の危機」に直結します。

医療的ケア児者の避難所の電源の確保については昨年の答弁では三菱自動車と神奈川トヨタ自動車との間で協定を結び発災初動期の緊急対応から避難所生活までを想定し備えているとの答弁でした。医療的ケア児者が個別避難計画で決めた避難所へは、必要とするときに電気自動車が到着し電源が確保できるということでしょうか。うかがいます。道路が被災するなど電気自動車が到着できない場合の避難所における医療的ケア児者の電源確保はどのように考えているのかうかがいます。

答弁4 効果的な電動車両の活用をする。到着できない場合は灯油式発電機の設置や太陽光発電設備を利用して持参したい倍部バッテリーに充電してもらう。

災害時協定に基づく電動車両の活用についての御質問でございますが、大規模な災害時における被災状況やフェーズにより、求められる二ーズや必要な対応にも変化が生じてくることが考えられることから、災害対策本部の運営の中で、その時の状況下に柔軟に対応できる電動車両の活用を想定しておりまして、関係局区と連携を密に図りながら、避難所の状況や二ーズを的確に把握し、効果的な電動車両の活用に取り組んでまいります。

次に、電動車両が避難所に到着できない場合の電源確保につきましては、避難所として指定している市立学校においては、灯油式発電機の設置や太陽光発電設備の整備などの取組みを行っておりまして、これらを利用して御持参いただく外部バッテリーに充電していただくことを想定しております。

質問5 3リハを指定福祉避難所にするための課題といつまでに指定を行うのか

医療的ケア児の保護者から「寝たきりなのでトイレに連れて行けず避難所では排便もベッドで行うことになる。臭いや医療機器の音などで周りの方への迷惑を思うと避難所に行くことを躊躇する。電源やスペースが足りなければ命を守ることができなくなる。福祉避難所へ直接避難ができるようにしてほしい」と訴えがあります。

これまでの災害で「配慮が必要な人が一般の避難所で過ごすのが困難だった」という声があり国は2021年に災害対策基本法を改正した際、決められた方が直接避難できる指定福祉避難所を積極的に指定するよう求めました。本市では2022年度に修正された川崎市地域防災計画風水害対策編に「指定福祉避難所の指定について市直営の3カ所の地域リハビリテーションセンターにおいて先行して取り組みを進める」としています。配慮が必要な人にとって待たれている切実な要望です。取組を進めるため、どのようなことが課題として整理されているのかうかがいます。またいつまでに3リハを指定福祉避難所として指定するのか。うかがいます。

答弁5 事前に受け入れ者の調整とキャパシティーの問題が課題。避難計画優先して進めるためいつまでとは言えない。

指定福祉避難所についての御質問でございますが、指定福祉避難所は、特定された要配慮者やその家族のみが避難する施設であり、受入対象者を特定し、指定の際に公示する制度として創設されております。指定福祉避難所の指定に当たりましては、個別避難計画の作成を通じて、避難対象となる要配慮者の状況の把握や地域の実情を踏まえて、事前に受入対象者の調整等を行う必要があること、キャパシティーの問題など人的・物的体制の整理を図る必要があることなどの課題がございます。今後につきましては、避難対象を把握する必要があることから引き続き計画作成を優先して進めてまいりたいと存じます。

意見 災害はいつおこるかわからない。一部地域で先行してモデル事業を実施するなど実行に移す中で課題を整理し並行した取り組を要望。

指定福祉避難所の指定についての課題は事前受け入れ対象者の調整、キャパシティーの問題などとのことです。品川区では、2021年の国の改定直後から、二次避難を無くし、すべて直接避難の方針に切り替えたそうです。個別の配慮が必要な避難者と一般の避難者をあらかじめ計画的に住み分けておくことで、避難所運営の人的・物的資源が有効活用できるのではないでしょうか。現状把握のためにも、個別避難計画の早急な全数整備は求められますが、災害はいつ起こるかわかりません。一部地域で先行してモデル事業を実施する等、実行に移すなかで課題を整理することも並行して取り組むことを要望いたします。

質問6 避難所の性別記載欄のある受付名簿の改善について

トランスジェンダーの方の「避難所の受付で男女の性別記載があると行くのを躊躇する」ことへの改善について、検討するとの以前の答弁でした。先月の台風時、性別記載欄のある受付名簿が用意された避難所もありました。検討すると答えてから2年も経ちますが次の災害時には改善されたものになるのか、うかがいます。

答弁6 修正について専門家から意見を聞いているところ。

避難所の受付についての御質問でございますが、風水害時の避難所の受付に関しましては、「風水害時における緊急避難場所運営マニュアル(標準例)」におきまして、受付に時間がかからないように簡素な「受付力ード」を使用するとしておりまして、令和2年度に改定し、現在では同力ードに性別記載の欄はございません。台風第7号の際には、一部の避難所では、誤った様式を使用しておりましたが、台風第10号の際には、風水害時の「受付力ード」を使用する準備を行っていたと伺っております。

なお震災時は、避難所運営を行う期間によっては、性別や年齢の確認などにより、具体的な支援につながる場面も想定されることから、「被災世帯受付簿(開設時用)」には性別記載欄の修正に性別記載欄がございますが、性別記載欄の修正について、専門的な知見を有する関係機関から御意見を伺っているところでございます。

質問7 危機管理本部が行うジェンダーの視点での研修について

内閣府「災害対応力を強化する女性の視点」の防災・復興ガイドラインの「危機管理担当部局や職員のほか、災害時に避難所対策等を行うことが想定される庁内職員に対し、研修、訓練等を実施する」ことを求めたところ、危機管理本部では研修は行わなかったとの昨年の答弁でしたがこの3月の委員会で再度求め、検討するとのことでした。その後、取り組みについていつどのような内容で誰を対象に何人の参加があったのか伺います。

答弁7 7月に危機管理本部と区の担当者20名参加で開催

ジェンダー視点に立った研修等についての御質問でございますが、危機管理本部では、本年7月に危機管理本部及び各区危機管理担当職員を対象とする防災力向上研修の一環として、「男女共同参画の視点からの防災」をテーマに実施し、 20名の職員の参加があったところでございます。研修の中では、「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」に触れたほか、令和6年能登半島地震の避難所運営を踏まえたワークショップにより、災害時の様々な視点について職員の理解を深めることができたものと考えております。

意見 初めて危機管理本部主催のジェンダーの視点での研修開催は大変重要です。継続性を持つこと、早急な名簿の改善と避難所の性被害根絶ポスター作成を要望して質問を終わります。


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