日本共産党
川崎市議会議員(川崎区)

後藤まさみ

ブログ
2024年3月16日

3月議会 公契約制度の適正な運用を!

今年施行12年になる公契約条例は、従事者に支払う賃金の下限額、作業報酬下限額が定め、処遇を担保することで、公共事業の品質の確保、地域経済の発展をはかり、市民の福祉の増進に寄与するとしています。対象は予定価格6億円以上の特定工事請負契約と予定価格1000万円以上の業務委託契約です。第12条では指定出資法人やPFI事業等選定事業者が行う契約も適用し市に準じていくとしています。

しかし、市内建設組合のみなさんが、PFI方式で事業を行う富士見公園再編整備の工事現場(契約金額約53億円・事業期間21年間)で公契約制度の周知宣伝を行ったところ、職人さん方から「制度について知らない」という方がほとんどだったとの声が届きました。

これまでも議会や委員会の中で川崎市が直接契約を結ぶ、特定工事請負契約についてしっかりと労働者に賃金を支払わせるなど適正な運用を求めてきましたが、今議会では12条に該当する事業について、どのように取り組んでいるのか実態を確認する質問を行いました。

2023年度施工しているのは「富士見公園再編整備事業」と「新川崎小学校新設事業」ですがどちらも契約書、規定など書面で12条が適用していること順守していることがわかりました。

では実際支払いが行われているのか、どのように確認をしているのか質問をしたところ「富士見公園整備事業」は台帳を作成しているが支払いの確認は事業者が行い、市は報告を受けるのみ。現場にポスター掲示をしている、新規入場者教育などで説明を行っているとのことでしたが労働者に周知をするチラシは配布はしていませんでした。

また、「新川崎小学校新設事業」はlこれから確認するとの答弁でした。2023年4月から着工し完了が今年の12月です。これから確認するのではあまりにも遅いことを指摘しました。

PFI事業は民間活力を活用して設計・工事・維持管理を一括して行う手法で、多額な契約金額と一括手法で市内建設業者が元請けとなって受注するにはあまりにもハードルが高すぎます。私たちはこの手法自体に疑問や課題があると指摘をしてきました。合わせて今議会で、第12条に該当する事業の実態が明らかになり、民間の契約だからといって市は逃れるのではなく、条例を遵守して、職人さん方には作業報酬下限額以上の賃金を支払い、公共施設の品質を確保してくこと、市民の福祉の増進につなげていくことを求めていきます、。市内建設組合のみなさんとも力をあわせてまいります。

※3月7日予算審査特別委員会の質問答弁です。正式な議事録ではないことをご了承ください。また3月18日代表討論でも要望をしました。

【質問1】

毎年、特定工事請負契約の作業報酬下限額が決められた後、第12条に該当するPFI事業者等へは、どのような方法で周知をしているのか、うかがいます。また、該当する、2023年度の事業名と所管部署についてうかがいます。

【答弁1】(財政局長)

公契約制度についての御質問でございますが、特定工事請負契約に係る作業報酬下限額についての周知及び指導につきましては、市に準じた措置を講ずるよう、 PF1事業者に対しましては、毎年、財政局から各局等への通知により依頼し、本市指定出資法人につきましても、財政局から直接、通知により協力を依頼しているところでございます。

次に、令和5年度に施工している特定工事請負契約につきましては、教育委員会事務局から「一般財団法人川崎市まちづくり公社」に工事を依頼している「新川崎地区学校新設事業」と建設緑政局における「富士見公園再編整備事業」でございます。

【質問2】

この通知を受けて、事業を所管する部署は事業者に対しどのような方法でどのような周知、指導を行っているのか実態について、まちづくり局長、建設緑政局長にうかがいます。

【答弁2】

〈まちづくり局長〉公契約制度についての御質問でございますが、本市では、契約条例改正時から、市に準じた措置を講じるよう指定出資法人に対して周知を行っており、これを受け、一般財団法人川崎市まちづくり公社におきましては、川崎市契約条例第12条に基づき、契約規則等において、予定価格6億円以上の工事については、作業報酬の下限の額を契約に定めるよう規定しております。

〈建設緑政局長〉富士見公園再編整備事業についての御質問でございますが、本事業につきましては、 PF1法に基づく事業手法を活用し、令和5年4月から再編整備工事を進めてぃるところでございます。本事業契約につきましては、川崎市契約条例の遵守に関する規定を設けておりまして、従事する労働者に対する周知や作業報酬台帳の作成等を義務付けているところでございます。

【質問3】

契約の中で条例の順守に関する規定や規則を設け周知指導をしているとのことです。

では12条各事業において、作業報酬下限額以上の賃金が適正に支払われているのか誰がどのようにチェックをしているのか現状についてうかがいます。また、本市直接契約の現場にはポスターの掲示、労働者には市が作成した作業報酬下限額が記載されたチラシを配布し、受注者には労働者から説明を受けた確認の書面提出を求めています。

12条各事業において、労働者への周知と受注者の確認はどのように行われているのか。まちづくり局長、建設緑政局長にうかがいます。

【答弁3】

〈まちづくり局長〉公契約制度についての御質問でございますが、新川崎地区学校新設事業における、まちづくり公社が発注する新築等の3工事につきましては、公社の規則等に基づき、下限報酬の徹底や、対象労働者への制度周知、作業報酬台帳の作成などについて契約書に規定されております。公社からは、対象労働者への周知や作業報酬台帳の作成などの履行状況について、適宜確認していくと伺っております。

〈建設緑政局長〉富士見公園再編整備事業についての御質問でございますが、作業報酬につきましては、本事業契約において、支払われた作業報酬の額が基準額を下回る場合、事業者は、その差額を労働者に支払うよう定めていることから、これに基づき、事業者が作業報酬額を確認しているところでございまして、その確認結果につきましては、事業者が本市に報告することとしております。次に、労働者への周知等につきましては、事業者が現場事務所でのポスターの掲示や新規入場者教育などで説明を行っておりまして、取組の結果につきましては、本市と事業者との定例会議などの場で報告を受けているところでございます。

【質問4】

実際の運用について、新川崎地区学校工事では周知やチェック方法はこれから確認する、富士見公園工事は台帳の作成、チェックは事業者が行い市は報告をうける。周知はポスター掲示や新規入場者に説明を行っているとのことで、労働者へのチラシは配布がされていないことがわかりました。

新川崎小学校は昨年4月に工事着工で今年12月には完成予定です。労働者への周知や支払いのチェックもいまだにされていないというのでは制度が適正に運用されているとは言えません。所管局によって運用がまちまちだということも問題です。

12条該当する事業についても作業報酬下限額以上の賃金が適正に支払われ公契約制度が統一的に適正に運用されるためどのような対策で取り組んでいくのか、制度を所管する財政局長にうかがいます。

【答弁4】(財政局長)

公契約制度の運用についての御質問でございますが、契約条例第12条第1項の規定により、指定出資法人やPF1事業者が締結する契約につきましても、市に準じた措置を講ずるよう努めることとしておりますので、今後も適切な運用に向けて、契約課主催の入札・契約事務研修等の機会を通じて、ポスターの掲示やチラシの配布、作業報酬台帳の確認などについて、庁内に周知してまいります。

【意見】

庁内の周知だけでよいのでしょうか。12条該当する工事の労働者から「公契約条例について知らない」との声も届いています。労働者に下限額が適正に支払われるためには、チラシ配布や職種を記入してサインをするなど周知や理解、台帳などで本市が支払いの確認を行うことが必要です。そのためにも所管局ごとバラバラな対応ではなく、責任ある体制で取り組むことを検討するよう要望して今後も注視してまいります。

【3月18日代表討論】

公契約制度についてです。契約条例第12条で指定出資法人やPFI事業等選定事業者が行う契約も市に準ずるとしているもかかわらず、各局に周知はしているものの実態は把握していませんでした。12条に該当する今年度の事業について、労働者へ作業報酬下限額以上支払われているか確認がされていないことがわかりました。今後、条例の順守に関して契約や規則等書面でかわすこと、労働者へのチラシ配布や職種を記入してサインをするなど周知や理解、台帳などで本市が支払いの確認を行う体制の確立などを検討し、適正に条例を運用するよう要望いたします。


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