日本共産党
川崎市議会議員(川崎区)

後藤まさみ

ブログ
NEW2024年7月4日

2024年6月議会 一般質問 川崎大師駅など踏切内付近の点字ブロックの設置について

「後藤さん、何とかしてほしい。とても危険な状態で歩いている」と川崎大師駅の踏切を利用されている全盲の視覚障害の方を見た方から連絡があったのが昨年の12月ごろでした。この全盲の方と連絡をとり、12月に地域の方と一緒に歩き危険な個所を教えていただきました。恥ずかしいことですが、毎日のことなので「慣れ」というものがあるのかと思っていました。しかし、まったく違いました。天候や状況によって環境が変わると方向性を失ってしまうこと、踏み切りを含む駅改札口までの歩道はカーブを描いており、国道に出ないよう出ないように注意をしながら歩くために時間がかかり大変危険で困難であることがわかりました。

さて、どうするか。まずは川崎市まちづくり局の担当者に電話をし歩道の管理者を確認しました。管理者は国だとのことがわかり、2月に国交省の担当者と川崎市まちづくり局の担当者にも同行してもらい再度、一緒に歩きました。地域のみなさん、はたの君枝前衆院議員・比例代表予定候補、片柳すすむ前市議会議員・小選挙区10区予定候補にも同行してもらいました。その間、川崎公害病患者と家族の会にもお願いをして国交省交渉で踏切内を中心とした点字ブロックの設置を求めてもらいました。

しかし、その後半年たってもまったく連絡もありません。これ以上放置して何か事故でもあっては大変だと思い、6月議会で質問をすることにしました。質問を作成するにあたっても何度も、当該の視覚障害の方に確認を意見をいただきました。質問日2日前、●●さんの訴えたいこと意見を最後に教えてくださいとお願いをしたところA4 1枚に「孤独と恐怖の中で歩いていること、自分に事故があれば踏切内に点字ブロックが設置されるのかと考えることがあること、歩行訓練をしても努力だけでは限界があること、歩行を乗り越えていかないと社会活動ができないこと」など伝えていただき、胸が締め付けられその思いを原稿に盛り込み当日を迎えました。初めて傍聴にも来てくださりどんなに心強かったことか、感謝でいっぱいでした。

質問では川崎大師駅付近の整備のことだけではなく国のガイドライン改定なども確認することができとても勉強になりました。質問が終わり地域の方へ報告をし、これからの進め方について相談をしていた矢先、川崎市の担当者から「国と協議をしようと思っている。そのあとご足労だけどもう一度当該の方に現地を説明しもらうようにお願いしてほしい」との連絡がありました。

前進です!最初話をしたときにある担当者からは「ひとりのために設置するのは難しいだろう」そんな話もあり怒りもおぼえました。また市は「国の管轄だから要請はする」にとどまった姿勢が続いていました。しかし質問後に、「市が国に対して働きかけをする」という変化がおこりました。当該の方の声、市民の声が市政を動かしています。

整備されこの方が安全に移動の権利が保障されるまで、引き続き取り組んでいきます。

【質問してよかった、勉強になった点について】

●死亡事故により国はガイドラインを改定したことを答弁させたこと、改定内容を確認したこと●市内の踏切内の点字ブロックがゼロとのことを明らかにしたこと●県知事の表明を紹介できたこと●市長から「視覚障害者の方々を安全に誘導することができる有効な取組だと認識」と確認できたこと●国が指定した特定道路などにおける踏切道で取組を進めていることが明らかになったこと●川崎大師駅 当該の方の声を届けることができたこと●川崎大師駅 国管理と市管理地が接していることが明らかになったこと●川崎大師駅 国への要請と市が管理するところは関係機関と協議調整をすることが明確に答弁されたこと●この地域はバリアフリー経路であることがわかったこと(初めて知りました)

※以下質問答弁です。正式な議事録でないことをご了承ください。(6月24日)

【質問1】国のガイドライン改定の内容と、なぜ改定に至ったのか。

踏切内などへの点字ブロックの設置についてです。バリアフリー法に基づいた「道路の移動等円滑に関するガイドライン」の改定内容についてうかがいます。

2022年6月の改定で、踏切道での視覚障害者の誘導について整備内容を明確に規定した2つの項目について、また2024年1月の改定で、踏切道内の整備について従来の「望ましい」から「標準的」に格上げされた内容と、従来「表面に凹凸のついた誘導表示等の構造は別途検討する」としたことが、改定後どのように規定されたかうかがいます。なぜ踏切道内の安全確保策が改められることになったのか、うかがいます。

【答弁1】明確化された内容や標準化に格上げされた内容を答弁。また奈良県内で死亡事故があったためガイドラインが改定されたことも答弁。

道路の移動等円滑化に関するガイドラインの改定内容についての御質問でございますが、令和4年6月の改定につきましては、従来まで規定されていなかった踏切道周辺での誘導について、踏切手前部に視覚障害者誘導用ブロックを設置することや、視覚障害者が踏切の外にいると誤認することを回避するため、表面に凹凸のある誘導表示等を、踏切内に設置することなどが明確化されたものでございます。

本年1月の改定につきましては、踏切道内に誘導表示を設けることの標準化や、踏切道付近の誘導ブロックと踏切道内誘導表示の標準的な設置方法及び構造が具体的に規定されたものでございます。

これらの改定につきましては、令和4年4月に奈良県内において視覚障害者が踏切内で列車に接触して死亡した事故を受け、踏切道での安全対策がガイドラインに盛り込まれたものでございます。

【質問2】市内の踏切内誘導表示について

川崎市内で踏切道内に誘導表示があるのは何カ所か。うかがいます。

【答弁2】ゼロ

踏切道内における誘導表示についての御質問でございますが、踏切道内における誘導表示につきましては、本市での設置事例はございません。

【質問3】神奈川県知事は「踏切内での事故撲滅を目指す」と言及。川崎市の見解について

報道によると神奈川知事は6月19日の本会議で「設置が円滑に進むよう県が工事や事業者との協議で得たノウハウを市と町に提供していく」との方針も示し「視覚障害者の踏切事故の撲滅を目指す」と表明しました。視覚障害者団体理事者は「県全域で広がってほしい」と話しています。県知事の表明、国の動きをふまえ、市管理道路と交差する踏切内及び前後の点字ブロックの設置について本市の見解を市長にうかがいます。

【答弁3】市長「安全に誘導することができる有効な取り組みだと認識」「国指定の踏切道は取り組みを進めている」「ガイドラインの内容をふまえ対応する」

踏切道における視覚障害者への対応についての御質問でございますが、踏切道周辺における誘導表示等につきましては、本市といたしましても、視覚障害者の方々を安全に誘導することができる有効な取組だと認識しており、これまでにも、国が指定した特定道路などにおける踏切道で取組を進めているところでございまして、本年1月における国のガイドライン改定の内容も踏まえながら、引き続き対応してまいります。

【質問4】川崎大師駅の踏切等の危険個所の対応について

安全誘導のために有効だとの認識です。※1国が指定した京急川崎第1踏切や鹿島田踏切など8つの踏切道は早急に設置をするように求めます。

川崎大師駅改札口を東門前駅方面に出てすぐに設置の大師第一踏切は、自動車や二輪車など通行も多く、付近では交通事故も起きています。踏切と交差する国道は、川崎駅方面踏切前からカーブを描き直線で大師ジャンクション方面に向かいます。

線路より多摩川側の地域に住む全盲の視覚障害の方は、通勤ではヘルパーさんを使うことができないため毎日一人で駅と自宅の間を歩いています。私も一緒に歩き、毎日のことでも決して慣れることはなく天候や道路状況の変化によっても方向性を失うため、国道に出ない、ぶつからないように白杖や音や感覚を使い命がけで必死に歩行されていることがわかりました。

特に踏切道と横断歩道が続いている個所はどちらも斜めに渡ることは大変難しく、踏切内は白杖でレールをつたいながら車道に行かないよう反対側のふちまで確認しながら歩行。時間がかかるため遮断機が下り、間一髪で外に出たこともあったそうです。横断歩道音声信号機の押しボタンの位置にも点字ブロックがありません。「何度も危険な目にあいその度近くにいる方が助けてくれる、歩行訓練をしても自己努力では限界。毎日緊張の連続でとても怖いが、克服しなければ社会活動はできない」と訴えています。危険個所の対策が早急に求められます。うかがいます。

【答弁4】国へ要請する。市の管理する箇所は機関と協議する。バリアフリー経路の特性も踏まえていく。

川崎大師駅周辺の安全対策についての御質問でございますが、当該箇所につきましては、国管理地と市管理地が接しておりますので、国が管理する国道409号への視覚障害者誘導用ブロックの設置について、国へお伝えするとともに、川崎市が管理する箇所につきましては関係機関と協議調整のうえ、バリアフリー経路の特性も踏まえて安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。

【意見】今から協議とは遅すぎる。早急に整備するよう要望

協議調整して取り組むとの答弁でしたが、今年の2月には市と国の職員は一緒に歩いており、いかに危険であるかを認識しているはずです。これから協議とはあまりにも遅すぎます。この方は「自分が事故にあえばここに点字ブロックがつくのか」と思うこともあるそうです。そんなことを思わせてはいけない、事故があってからでは遅いのです。横断歩道信号機音声時間の延長なども含め、設置にあたり当該の方に要望をよく聞き早急に整備するよう求めます。

※1 国が指定した市内の踏切道について

●京急川崎第1踏切(八丁畷駅)前後4カ所は済  踏切内これから●鹿島田駅 前後4カ所は済 踏切内これから●中野島第二踏切 前後4カ所は済 踏切内これから●観光道路踏切(稲田堤駅) 前後4カ所は済 踏切内これから●向河原駅前踏切 前後2カ所済 踏切内これから●宿川原第二踏切 前後2カ所済 踏切内これから●平間駅前踏切と津田山第一踏切 手つかず


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